相談事例Q&A集
Q1.管理経費の削減で管理会社と交渉し、今回の予算で相当各メンテナンスを安くしたと言っていいますが、どうにもまだまだ高額なような気がします。
A1.管理会社の予算は、見えないところに余分な経費がかかったり、安くていいように見えても落とし穴がいくつも仕込まれています。管理の基準がわかりずらいので、一般の方には適切なジャッジをすることは難しい分野です。
Q2.今年監事に就任しました。聞いた話では数年前に管理の適正化の法律ができたとのことですが、どういうところに重点が置かれた法律なのでしょうか?
A2. 平成13年8月に施行された「マンション管理の適正化の推進に関する法律」(通称「マンション管理適正化法」、いわゆる管理業法)では、会計を最大重視してできた法律です。その理由は不正・事故防止を目的としていますが、会計分析は大変困難なことなのです。管理組合の財産=マンションの価値ですので、安全性は確認する必要が絶対にあります。
Q3.どうにもこうにも管理会社のいうことが信頼できません。どうもだまされている感じが抜けないのですが、このままでいいわけないですよね?
A3.管理委託契約は委任契約ですので、相互の信頼関係がなければ成り立ちません。管理組合にとって管理会社は大切な共同事業者=パートナーです。信頼関係がなくなっている以上は再構築の必要がありますので、管理会社見直しをお勧めいたします。
Q4.竣工10年を過ぎたマンションです。一昨年に修繕積立金を引き上げたばかりなのに、また管理会社から値上げの話が来ました。修繕に多額の資金が必要なことは理解しますが、管理会社にお財布の中身を見られながら、管理会社が行う工事費用を決められているように思います。
A4.一般的に大規模改修工事実施に修繕積立金引き上げが欠かせないとの見方がほとんどですが、本当は管理費の「ムダ・ムリ・ムラ」を取り払うのが優先です。大規模改修工事は長い年月の補償を得なければなりません。実際に大規模改修工事を行うにあたって、本当に今の管理会社でよろしいのでしょうか?
Q5.築5年になりますが、最初にもらっていた長期修繕計画表を改めて見直してみてびっくりしました。今年ぐらいから修繕積立金の段階的な大幅値上げが予定されていました。それでもまだ修繕費が足らないとの内容で、12年目に一時徴収金との名目で、各戸から約50万円も取ることになっていました。今でも管理費が高いと感じているのですが、管理会社は何も言ってくれません。本当にこんなに必要なのでしょうか?
A5.管理費と修繕費の改革は早ければ早いほど効果があり、改革が遅れれば遅れるほど、ご予定されている大規模改修工事時の各自負担が大きくなります。最近も管理費を削減した分を修繕積立金引上げにあてる改革案を検討した物件があり、そのうちのひとつのマンションは臨時総会を開いて管理会社をも変更決議となりました。この措置で、この管理組合は修繕積立金が高い水準になり、当然、予定していた修繕積立金の段階的引き上げも不要となりなした。大規模改修工事を機会に、管理会社を変更する管理組合はかなりの数に上ります。
Q6.管理会社って本当に変更できるのですか?管理会社を変更する場合、簡単でいいので留意点を教えてください。
A6.リプレース(管理会社変更)でネックになるのは以下ような点です。
どんな手順でやるのか、総会はどうしたらいいのかわからない。
どこの管理会社が、本当にいいのか判断できない。
管理会社ごとに見積もり内容や項目がバラバラで、比較が難しい。
Q7.他の管理会社から見積もりを取ったのですが、いやにあっさりと安い金額が出てきました。役員の1名はすぐに変更しようと言っていますが、かえって不安になって躊躇しています。何かいいアドバイスはありませんか?
A7.管理費を削減できたからといって、その後の維持レベルに著しい障害をきたしてはまったく意味がありません。マンションの管理とは「適正で良い管理を継続して続けていく」ことに意味があるのです。本当にその見積りが実際のマンションに適合して継続できる内容かどうか、その場限りの安さでないかを見極めなければなりません。民間の管理会社も企業である以上、利益追求はやむを得ないことでしょうから、適正金額の下限より安い場合、他のことで利益を得ようとします。
Q8.先般、大風の日にベランダの仕切り板が破損しました。てっきり管理組合で加入している掛捨の火災保険でお金が出ると思い、管理会社に問い合わせたところ、風災は被害20万円以上でないと補償されませんとの回答が来ました。毎年支払っている保険料が本当の意味で「掛捨」のような気がします。
A8.マンションの損害保険に関しましては、どこも改善の余地があるようです。ただ、漏水対応では代理店(管理会社の場合がほとんど)の対応力で格段の差が出ます。損害保険の加入の仕方次第で、本当に益があるかないかの分かれ道です。本来、管理組合が入る火災保険は共用部部におけるもので、一番燃えやすい専有部分は各個人が入っています。要は、「浅く広く担保範囲の広い設定」が理想です。火災保険だけではなく、施設賠償・個人賠償のほかにも、漏水の際の原因調査費用を賄う特約まで完備しておくほうがベストでしょう。